「行政書士」という言葉を聞いたことがありますか?
行政書士の主な仕事内容は、行政機関へ提出する書類の作成や申請の代行です。
よく司法書士と混同してしまう人もいますが、司法書士が扱う書類の提出先は法務局や裁判所になります。
行政書士試験・司法書士試験はどちらも法律系国家資格です。
行政書士試験は、法律系国家資格の中で登竜門のような位置づけです。
行政書士試験に合格すると独立開業が可能となる資格のため、簡単に合格できる資格ではありません。
本記事では、行政書士の試験概要や合格率からみる難易度について紹介します。
行政書士試験合格後の道
試験合格後は行政書士として登録して独立開業することができます。
行政書士の扱う分野は幅広く、その全てに精通することは難しいため自分の得意とする専門分野を極めて仕事をしている人が多いです。
また近年、企業法務の重要性が高まっているため会社員として企業内で法律知識を活かすことも可能です。
行政書士の試験概要
行政書士試験の日程や試験実施機関、受験資格、出題内容と合格基準について紹介します。
試験日
試験は年1回、毎年11月の第2日曜日に実施されます。
試験時間は午後1時から午後4時までの合計3時間でおこなわれます。
受験するにあたって法令が改正された場合いつの時点の法令を基準に試験問題が出されるのかを把握しておかなければいけません。
法令については原則として、試験を実施する日の属する年度の4月1日現在施行されている法令に関して出題されます。
試験実施機関
詳しい内容や試験申込方法などHPにてご確認ください。
受験資格
年齢や学歴、国籍等に関係なくだれでも受験可能です。
出題内容と合格基準
筆記試験です。
【出題科目は全6科目】
法令等5科目(全46問) + 一般知識等(全14問)の合計60問
<法令等5科目の内容>
基礎法学・憲法・民法・行政法・商法
<<出題形式>>
マークシート形式の択一問題と記述式
<一般知識等の内容>
政治・経済・社会・情報通信・個人情報保護・文章理解
<<出題形式>>
マークシート形式の択一問題
配点は以下のとおりです。
行政書士試験は一定条件の点数を満たせば合格できる「絶対評価基準」の試験です。
【合格基準は3つの基準をすべて満たすこと】
① 法令等科目は満点中50%以上
122/244点
② 一般知識等 満点中40%以上
24/56点
③ 試験全体の得点が60%以上
180/300点
試験対策のポイント
行政書士は幅広い法律の知識が求められます。
法令等科目では、法律の知識を使いこなす技術が問われます。
この法令等科目の合格のポイントは、民法と行政法の攻略にあります。
民法と行政法の得点を合わせると188点で、全体の60%を占める配点になります。
また民法は法律のなかでも一番身近なため勉強もしやすく得点に結びやすい科目です。
一般知識等では、幅広い政治・経済・社会の知識が問われ、時事問題への関心や政治・経済などの基本的な理解が求められるため、メリハリをつけた勉強が必要です。 深追いしすぎても点数に結びつきにくいため、試験直前は優先して勉強しない方がいいです。
また情報通信系法律や個人情報保護法などは範囲が狭く対策を立てやすいため、優先して試験対策をするにはオススメです。
【行政書士】合格率の推移からみる難易度
行政書士の合格率は約10~15%
難易度 やや難関
近年の行政書士受験者数や合格者数、合格率の推移を見ていきましょう。
毎年の受験者数が4万~5万人に対して、合格者数が4千~5千人ほど。
平均合格率は約12%と低めです。
しかし、行政書士試験の受験者のなかには十分な勉強をせずに「記念受験」のような受験者も多くいます。
行政書士は誰でも受験可能な試験のため、見かけ上の合格率を真に受けることなく勉強に励んでください。
しっかりと勉強する人にとっては、もの凄く難しい試験というわけではありません。
【行政書士】勉強時間の目安
一般的に行政書士の勉強時間は、200時間~600時間ほどが目安だと言われています。
1日に1~2時間ほどの勉強を、3ヶ月~1年ほど。
勉強の方法や環境、法律系勉強経験者か否かによって、必要な勉強時間の目安は大きくことなります。
とくに法律系の勉強が初めての人にとっては、慣れない法律用語や法律的な言い回しによって勉強が苦戦してしまうことも。
しかしだからと言って独学での合格が不可能な試験ではありません。
教材選びや勉強の仕方を間違えなければ、独学での合格は可能です。
弁護士や司法書士、税理士に比べれば易しい資格ではありますが1年間は本気で勉強に取り組む姿勢が大切です。
「法律の知識を深めたい」
「独立開業したい」
そんな人は是非、行政書士の試験に挑戦してみてはいかかでしょうか?